2024年4月23日火曜日

『剣客商売七 隠れ蓑』(池波正太郎)読みました。


自主映画をつくっていた頃だったか、
学校で脚本の書き方を習っていた頃だったか、
互いのつくってきた作品を評価し合う場がありました。

そのとき、がぼくの書いてきたストーリーに対して
誰かが「これは御都合主義だよ」と言いました。

事件の真相がつかめずムシャクシャして
思わず道端の小石を蹴ったら、
通りすがりのおじいさんに当たってしまい、
どうもすみませんと介抱しているうち、
その老人が事件を目撃していたことがわかり、
めでたく解決につながる、

みたいな話だから
その誰かの指摘はど真ん中の正論なんですが、
当時のぼくは(というか少し前までのぼくも)
彼の言った「御都合主義」の意味がよくわからず、

なんか難しい言葉使って
ケムに巻こうとしているだけだろう

くらに思い、それほど気に留めなかったようです。
そんなことをなぜか今、思い出して、
そのなんちゃら主義とやらを辞書で引いてみると

「一定の方針や定見を持たず、
 その場その場の状況に合わせて行動する
 無節操なやり方をさげすんでいう語」

とあって、わかったようなわらんような
当時と同じ気持ちになり、

ま、ついでにとウィキペディアに行ったら、
もう1つ意味が載ってて

「(こそから転じて)ストーリーの進行に
 都合のよいように作られた強引もしくは安直な
 設定・展開のこと」

とありました。あ、なるほどね。

で、この『剣客商売七 隠れ蓑』。

その主義がチラつく箇所もあるように思えましたが、
それでも面白んだから、逆にすんごい。


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2024年4月16日火曜日

『文系のためのめっちゃやさしい対数』(山本昌宏 監修)読みました。


たぶんアメリカのコメディ映画の
1シーンだったと思います。

ニセモノの先生が、授業時間に教室で、
生徒たちと一緒になってバカ騒ぎしてて、

そこに突然、校長先生が見回りにくる。

慌てたニセ先生は、
すかさずチョークをつかんで、
黒板にすばやく数式を書き込み、
真面目な授業のふりをする。

そこに記したのが「E=mc2」
(2は上付きの小さい字で二乗のこと)
だったんです。

ごっつセンスいいなと感心したのを覚えています。
(なんの映画だったかは忘れてるけど)

ありゃりゃ、
アインシュタインの数式をネタにしようと思ったら、
映画のこと思い出して
こんなに文字埋めちゃいました。

まあとにかく、この式は、
エネルギーってのは、
質量╳光の速さ╳光の速さと
同じになるってことらしい。

でも、
エネルギーと質量(ちなみにぼくの体重は約73キロ)と
光の速さって、どうやったら結びつくんでしょうか。

月とスッポンが結びついて、
なんで比較を示す比喩表現になったのかわからないくらい、
わからないんです。

で、この『文系のためのめちゃめちゃやさしい対数』。

ここにも「なぜそんな結びつき?」が
たくさん出てきました。


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2024年4月11日木曜日

『シャーロック・ホームズの凱旋』(森見登美彦)読みました。


社交性には乏しいと自覚しているので、
そもそも飲み会などにはそれほど誘われず、
あっても年に2、3回くらいなのですが、

コロナの3年を経て、さらにその間隔が伸びていき、
ようやくそんな宴席に参加すると、

そうした顔ぶれとは
もうだいぶ会ってなかったと懐かしく、
たがいの老け顔をおちょくり合う場面ばかりに
なってるような気がします。

会わずにいる時間があくと、
容姿ばかりでなく、性格というか、
中身というか、考え方というか、
そんな部分も変わってくる仲間は結構いる。

そういう席には我れ先に駆けつけ、
誰よりも大量にアルコールを摂取し、
店に入ったときには
「えっ、あの騒がしい若者グループの隣の席かよ」
としぶしぶ席についた15分後には、
その若者グループからのクレームできたと思われる
責任者らしき店の人から
「すみません、周りのお客様もいらっしゃるので、
 もう少し声のボリュームを下げてもらえませんか」
と常に名指しされ、
電車のある時間に姿を消したことはなく、
いつも日が出て街が動き出した中を
よれよれの足取りで帰って行った、あのヤンチャくんも
「ごめん、明日仕事なんだよ」
と二次会の誘いを断って、
終電までまだ何時間もある宵の口に
去っていったりしてます。
変わっていくもんです人は。

で、この『シャーロック・ホームズの凱旋』。

著者の森見さんの本は
デビュー作からずっと読んできました。
やっぱ、変わっていくもんだなと思いました。

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2024年4月9日火曜日

『寺田寅彦随筆集 第三巻』(寺田寅彦)読みました。


通っていた映画学校では、
併設されていた立派な劇場で
古今の名作を観る洋画鑑賞という授業がありました。
講師は同年代の人なら誰もが知っているだろう
映画評論家の淀川長治さん。

その授業のあれこれ
(フィルムの手配から映写技師の仕事、
 さらには淀川さん送迎車の運転まで)
を全部担当してくれていた教務課の先生は

「俺なんか『ベニスに死す』を
 何度観たかわからんよ」

と言ってました。
淀川さんはあの映画お気に入りだったんです。

その授業(講演?)の中で、
来日したチャップリンの話を聞いた覚えがあります。

今風にいえばアポ無しの突撃訪問をし、
あなたの映画が死ぬほど好きで、
大ファンで、超尊敬してるみたいなことを
つなたい英語でまくし立てて頼み込んだ結果、

そんな無礼なやつでも笑顔で受け入れてくれて、
滞在先のスイートルームで長時間話をしてくれたとか。

で、この『寺田寅彦随筆集 第三巻』。

以前の第二巻のとき
100年以上前に書かれた文もあるといって
古典のように紹介したけど、
この第三巻にはチャプリン来日の話題も入っていました。
それって淀川さんを通じた地続きの体験であり
「うわー、古典とぼく、つながってるじゃん」
とびっくり。

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2024年4月4日木曜日

『第五の季節』(N・K・ジェミシン)読みました。


なぜかわからないけどニヤニヤしてきたり、
カズオ・イシグロさんの作品みたいに
ノーベル賞もらえるほどの一流文学なのに、
ふふふってほほが緩むエピソードが
あちこちに置かれていたり、
とにかく笑いに近いものが入っている
物語が好きです。

前にもいったけど、
一冊の本を読み始めるとき、
まず目を通すのは目次、まえがき、
あとがき、解説などのいわゆる付き物で、
本文はそれらが済んでから取りかかります。

そうじゃないと、
せっかく中身を読み終えたのに、
いやいやまだ残っているじゃん状態になるから。

毎朝やっているランニング通勤で、
ゴールにしているジム(シャワーを浴びるため)が
休館日であること忘れてて、
へろへろになりながらそこまでたどり着いて
「あっ休みだ!」と気がつき、
仕方なしにゴールを変更して
走って会社へ向かうような、
終わったつもりなのに
終わりじゃないじゃん状態を避けたいから。

おっと、
それはどうでもいいんだけど、
言いたかったのは、
最初に解説とかあとがきとか読むと、
「おっこれは笑える要素が期待できる」
などと先入観を持っちゃうこと。

そこにネタバレなんかがあるぶんには、
読んでいるうちに忘れちゃうからいいんですが、
先入観ってのは、
どういうわけか頭の中から離れない。

だから、
第1章が過ぎてニヤニヤがなくても、
いやこれからだと諦められず、
2章3章と進み、あれもしかして?
と思っているうちに最終ページに至るってこと
よくあります。

で、この『第五の季節』。

そのパターンでした。

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2024年4月2日火曜日

『剣客商売六 新妻』(池波正太郎)読みました。


作家を長くやって歳をとってくると
短編を書く気力がなくなってきて、
つくるものが長編にかたよってくるんだ
と言ってたのは誰だったかな…。

年齢とともに体力が衰えてきて、
それが創作活動に影響するんだったら、
長い作品こそ執筆していくのは大変で、
かかる時間だけ考えたら
すぐに終わらせられるだろう短編のほうが
すんなりこなせると思いきや、
そうじゃないらしい。

まあ人によって違うんでしょうけれど。

書き上げた原稿の枚数が同じだとすれば、
短編には1つ1つ違うアイデアを
盛り込んで仕上げないとだめだけど、
長編なら1つのアイデアから派生したものを
つなげて形にしていくのだろうから、
ひらめきの数からいえば
長いもののほうが少なくて済むってことでしょうか。

で、この『剣客商売六 新妻』。

じゃあこんな面白い連作短編は
どんな位置付けになるのかしら。

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2024年3月28日木曜日

『8つの完璧な殺人』(ピーター・スワンソン)読みました。


今は池波正太郎ブームがぼくの中で再燃して
未読だった剣客商売シリーズを
がつがつと食い漁っているけど、
以前にも特定作家の作品のむさぼり時期はあって、

ざっと思い出すと、
山田風太郎さん、伊坂幸太郎さん、
ルパンのモーリス・ルブランさん、
それに、
京極夏彦さん&村上春樹さん&スティーヴン・キンングさんは
通奏低音ですね。
(誰かがこの四字熟語を使っていたから、
 真似してここに持ってきたけど意味あってるか不安です。
 なので、辞書引いてみます……
【1】で音楽の伴奏のことが書いてあって、
【2】に「(比喩的に)表面にはあらわれないが
 一貫してその物事に影響を及ぼし続けている要素」
 ってあります。
 ちと違う気がするけど、せっかく調べたんだからいいでしょ。
 既刊の本はだいたい制覇したから
 新しいマイブームにはならないけど、
 新刊が出るたびに買わずにはいられなくなる
 作家さんってことです)
そんで、今回言いたかったのは、
ローレンス・ブロックさん。
普通の本屋さんにはもう在庫はなくて、
ブックオフ入荷お知らせメールを駆使して揃えたっけな。

で、この『8つの完璧な殺人』。

ローレンス・ブロック『聖なる酒場の挽歌』を一気読みして
最後の1行に泣いたと書いてありました。
それもあって5つ星。

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2024年3月26日火曜日

『剣客商売五 白い鬼』(池波正太郎)読みました。


PDFのファイルを見るとき、通常は
パソコン(マック)に最初から入っている
プレビューってソフトを使うんですが、

拡大印刷とか特別な機能が必要になると、
アドビのアクロバットってのに登場してもらいます。

その高機能ソフトがね、
ここんとこ調子悪いんですわ。

普通に使用するぶんには、
なんの支障もないんだけれど、作業が終わって
(終わっているからほんとに支障なしなんですよ)
「Adobe Acrobat Proを終了」ってのを選ぶと、
ウィンドウは全部閉じられて、
ほー終わり終わりと安心してると、

その2秒後くらいに突然、
「Acrobatが予期しない理由で終了しました」
というマックくんのアラート画面と
「エラーが発生しました」
ってアドビの故障報告表示が出る。

んでまあ、
その2つを閉じればいいんだけど、
気になるからもう一回起動して、
同じ終了操作すると、やっぱ2つのエラー告知。
終わっても終わらない無限ループな感じなんです。

で、この『剣客商売五 白い鬼』。

5巻目です。面白いです。
やめられないとまらない感じで、
さっそく6巻にかかっちゃいました。
これは無限ループでもいい感じ。

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2024年3月22日金曜日

『親密な手紙』(大江健三郎)読みました。


この感想文もどきについて
「あえて本の内容を書かないのは、
 本をこれから読む人のことを
 想っているのかと思ったりしました」
と好意的な分析をしてくれた友だちがいました。
どうもありがとうございます。

ぼくの読むもののような
一般に流通している書籍の内容は、
ネットを見ればごまんと出てくるだろうし、
そのごまんの人たちと同じことしてもつまんないし、

きっとその人たちのほうが、好意的な紹介であれ、
非難ごーごーのレビューであれ、
的確に大筋を説明できているだろうし、
ならば、ぼくだけにしか書けないものにしたほうが、
ちっとは価値も出てくるかなと思って
(だから逆に価値はなく、誰の役にも立たない
 代物になっているともいえますが)
このような文字のつらなりを、
キーボードペコペコ叩いて入力してるんですが、

毎回毎回、
その都度思いついた事柄を
むりやり読んだ本に関連づけて、頭に浮かんでくる
「いくらなんでもそれはちょっと無理あるだろう」
って言葉を振り払いながらつくるのって
「実はかなり大変なんです」
と書こうと思ったんだけど、

実はかなり楽なんです。

あえて大変な点を挙げるとすれば、
どんなネタを持ってくるか、かな。
ネタがないんです、最近。

で、この『親密な手紙』。

ネタなかったので友だちの分析を持ってきちゃいました。
あ、いけない。本の内容とつならがらなかった。
……つなげとこ。
ノーベル賞作家のエッセイだけあって、
ネタはぼくと違い、ものすごく高尚です。

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2024年3月19日火曜日

『寺田寅彦随筆集 第二巻』(寺田寅彦)読みました。


昔、上板東映という映画館がありました。
東武東上線の上板橋駅のすぐ近く。
そこは、結婚して家を出るまで
ぼくが過ごした実家の最寄駅でした。
つまりは上板東映まで徒歩圏内。

あ、違う違う。

今回は映画館について話そうとしたんじゃなく、
その道路を挟んだ向かい側にあり、
もうじき閉店して取り壊されると聞いた
イトーヨーカドーのことを書いておこうと思ったんです。

ぼくが小学生のときにできた
5階建てくらいの結構大きなスーパーで
まだあちこちにサッカー場数面規模の原っぱがあった
東京とはいえさびれた場所に、

そんな立派なピカピカのハイカラスペースが出現し、
ぼくをはじめ鼻垂れガキどもは
はしゃぎまくって、叱られながらも
店内を走り回ったものです。
ネットみると築52年だとか。時は流れます。

で、この『寺田寅彦随筆集 第二巻』。

大正11年に書かれたものもあり、
数えてみれば102年。
時は流れてるけど、
そのまま残るものもあるんだなと、しみじみ。

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2024年3月14日木曜日

『魔眼の匣の殺人』(今村昌弘)読みました。

   

これからここに紹介しようと思っている
レイモンド・チャンドラー作品に対する寸評
(というか解説、もしくはツッコミ)は
長編全7作を翻訳してる村上春樹さんが、
どっかの対談で言ってたことなんですが、
例によってうろ覚えで、
正確じゃないかもしれません。

いや、もしかしたら、
言ってた人自体が村上さんとは違っている
可能性もなきにしもあらずで、

絶品オマージュを何冊も出している原尞さんとか、
熱心なチャンドラーファンだと
ウィキペデアに載ってた大沢在昌さんだったかもしれず、

いやいや、それどころか、発言者は、
ぼくの夢の中に出てきた幼稚園のとき以来音信不通で
たぶん街で会ってもわからない
性格が妙にスネ夫ライズされている
山本くんという架空の存在で、
ぼくの頭の中で醸成されたエピソード内の
小話だという危惧もあり、

そんなあやふやなことを
ここに書いてしまってもいいのか、
きっと怒られるぞと心配になってきたので、
やっぱ、やめます。

うーん、でも……
ここまで読んでくれたであろう皆さんに
申し訳ないので、やっぱ、やります。

「チャンドラー作品は、総体的には素晴らしい
 文学なんだけれど、設定なり、人間関係なり、
 それぞれの思惑なり、トリックなりが、
 ラストの締めでごちゃごちゃし過ぎて
 よくわからん」
という寸評(というか解説、またはツッコミ)でした。

で、この『魔眼の匣の殺人』。

チャンドラー的ハードボイルドとはちょいと違うけど、
ごちゃごちゃ感は通じるものがあると、
貧弱回転数仕様のぼくのおつむは判断しているようです。
とはいえ面白かったです。

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2024年3月12日火曜日

『刀と傘』(伊吹亜門)読みました。

  

何個か前に
『超短編!大どんでん返し Special』
って本のこと、ここに書きました。

題名通りのショートショートを集めたもので、
(30人ほどの作家さんが
 各人数ページの超短編を寄せてます)
「小説って長編の方が面白いな」と
好みが偏ってきているぼくにとって、
ずしんと心に残るようなものは、
ほとんど見つからず、
「面白かったー」的な印象にはなりませんでした。
(でも、星新一さんの作品が大好きだった
 中学生の頃だったら、今とは正反対の感想に
 なったかもしれません)

実際、その短編集の中で
ストーリーを覚えているものは
1つを除いてまったくないんです。
(ポンコツな記憶力しかなかいぼくには
 当たり前ともいえますが)

で、この『刀と傘』。

唯一覚えていたのが、この作家さんの超短編でした。
なので長い物も読んでみようかと。
試してみて損はありませんでした。

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2024年3月7日木曜日

『自由の丘に、小屋をつくる』(川内有緒)読みました。

 

今住んでるマンションに来たのは
20年ほど前でした。

(どれくらい時間がたってるのか曖昧だったので、
 ネットで建物名を入れて検索してみたら
 中古物件を扱う不動産屋さんのページが
 ごまんと出てきて、そこに築年数が
 書いてあったので間違ってないと思います。
 つーか、空いているうちは1つもないと思ってたのに、
 いくつか売りに出ているとこがあって、びっくり)

ここ、住んでみた当初は
特に不便を感じる箇所はなかったんですが、
1カ月ほどたって1つだけ、
これは変えたほうがいいと思うとこが出てきたんです。

廊下から風呂場の脱衣スペースに入るところのドア。
そこは洗面台もあり洗濯機を置く場所でもあるんですが、
扉が内開きで洗濯カゴなんかがあるとドアが半分しか開かない。

そこで、
「よし、ここはいっちょセルフリフォームで、
 開きドアを、引き戸に変えてみよう。
 うまくできたら、家族みんなに喜ばれて、
 お父さん株があがるかもしれないし」と
新築ほやほやのまだおニューな家の匂いが
抜けきれていない中で、ぼくは決心したのでした。

で、この『自由の丘に、小屋をつくる』。

その決心は、いつの間にか忘れられ
20年ほど経過してしまいました。
この本読んで、思い出しました。
そろそろやろうかな。
本にある通り、素人でも小屋つくれるんだし。

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2024年3月5日火曜日

『剣客商売四 天魔』(池波正太郎)読みました。


20代後半もしくは30才を
少し過ぎていた頃だったと思います。

勤めていた会社の上司がどこからか
ぼくが本が好きだということを聞いたらしく、

「お前が読書家だとか、
 そんな偉そうなこと言ったって
 (注:ぼくはそんなこと一言も口にしてはいないけど)
 どうせくだらない本ばっかりあさってるだけだろう。
 司馬遼太郎は読んだことあるか」

と、つば飛ばしながら尋ねるので、
〈龍馬〉と〈項羽と劉邦〉を読んでたから
「まぁ。何冊かは…」と答えたら、

「読んでんのかよ。えれぇじぁねえか。
 何冊読んでるんだよ」
とのしかかり気味に来るので、

作品的には2冊だけど、
龍馬はたしか7、8巻あったし、
項羽も上・中・下だったから、
合計で10にはなるので、
でもそんなにいうとボロが出ると思って

「5、6冊だったかな」
「うっ、そんなにか。うーん、何読んだ」
「〈龍馬〉とか、〈項羽と劉邦〉とか…」
「ふーんそうか。偉いな。俺もまあ本は読むけど、
 池波正太郎みたいな軽いやつしか読まないんだよ」
と言ってました。

で、この『剣客商売四 天魔』。

上司さん、ぼくも今ハマってます。
軽いって言い方もあるかもしれないけど、
確実に面白いです。

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2024年2月29日木曜日

『超短編! 大どんでん返し Special』(浅倉秋成ほか)読みました。

         

怒られるのはイヤだと
常に恐々としている小心者ってのは
ぼくのことです。

それを隠しておいて大きく見せるなんて行為は、
バレたときのことを考えると怖くて仕方がないので、
ことある度に、臆病だと公言して、周知を図っています。

だから、ここに書いている文章はさておいて
(この感想文もどきは、
 怒るというか気にかけるほどの内容じゃないと
 みんな素通りしているハズなので)
仕事でつくっている記事なんかは、
999個等間隔に立てたドミノの
1000個目を並べるように慎重に慎重に、
ミスはないか、読みにくくなっていないか、
お客さんに満足してもらえるか、
読者があきれないクオリティはあるか、
などなど考えビビりながらこなしているんです。

前の仕事を振り返って見直すことは滅多にしないんですが、
何かの折にふっと過去の作品が目に入ることがあり、
そんなのも大抵は「うん、よくやった」と
自分を褒めてあげられるものになってます。

でもまれに
「これちょっとレベル的にどうなの」
と疑問符がつくのもあったりするんです。
(言っちゃうと今後仕事に差し支えるかもだけど)

んで、そういう疑問符モノに共通するのは、
単発業務で、時間も1日2日で完了するような
短いスパンの仕事であるようです。

で、この『超短編!大どんでん返しSpecial』。

30人ほどの作家さんが
それぞれ書いた超短編を集めた本。
皆さん決して力を抜いているわけではないんでしょうが、
好みからすれば、多くが疑問符モノに類別されちゃいました。


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