2017年10月17日火曜日

『アイネクライネナハトムジーク』(伊坂幸太郎)読みました。


これまでやってきたぼくの作業は、
単行本の仕事にしても、
新聞や雑誌の原稿にしても、
数百文字から
せいぜい2、3千文字くらいまでが、
ひとつのまとまりになっています。

この感想文もどきの一つひとつも、
だいたい600文字くらいの
かたまりですね。

300ページ前後の単行本をこなすのだって、
1項目千文字前後の固まりを
何個もつなげてつくってきました。

んで、そうした原稿をつくるとき、
ぼくはまず、
タイトル(というかその項目の見出し)を書いて、
そのあとでリード文や本文を
つくるやり方をしています。

逆の順番でやる人もいますが、
長年そうやってきたので、
それがクセみたいになってしまいました。

でもこれ、
効率的じゃないってわかっています。
だって、リードや本文を書いた後で、
タイトルを読んでみると、本文の内容と
全然リンクしていないことがあるんですもの。

「弘法も筆の誤り」って題で、
慣れている人でも気をつけよう
という記事を書こうと思ったら、
なぜか書きやすい筆の種類の話になり
「どの筆でも気を抜かず、
 きれいにキチンと使いましょう」
って結びの文章になっていたりする。
だったら題は、
「弘法、筆を選ばず」じゃん、って具合です。

で、この『アイネクライネナハトムジーク』。

思いつくまま書いていたら、
何を結論にしたかったのか、
忘れちゃいました。
でも、本は面白かったです。





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2017年10月12日木曜日

『精霊流し』(さだまさし)読みました。


出版社の編集担当の人から
こんな不満を聞かされたことがあります。

「著名な大学教授だったから、
 安心してたんですけどね。
 でも、もらった原稿を確認したら、
 その先生が前に書いたネタと
 まるっきり同じだったんです。

 それでも気がとがめたのか、
 語尾とか言い回しなんかは
 所々変えてたんですけどね。
 
 まあ、その元ネタは、
 一般の出版物じゃなく、
 大学の中だけで出した刊行物だったし、
 出版のスケジュールも動かせなくて、
 仕方なくその原稿で進めちゃったんです」

誰かが書いたモノをパクったら
問題はあるけど、
過去に自分でまとめた文章なんだから、
まったくOKでしょ。

って、
その先生が考えていたのかどうかは、
わかりません。

でもね、アナタを著者にして
新しい本をつくりましょうと、
持ちかけてきたんだから、
手垢のついた使い回しじゃなく、
それなりの
ネタとか切り口とか考えましょうよ。

と編集の人は言いたかったんでしょうね。
……はい。ぼくも気をつけるようにします。

で、この『精霊流し』。

前半のほとんどが、
だいぶあとに出版される
『ちゃんぽん食べたかっ!』のネタに
流用されてます。
ぼくは『ちゃんぽん〜』を
先に読んだので、
あの編集さんのような気持ちになりました。





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2017年10月10日火曜日

『ハリネズミの願い』(トーン・テレヘン)読みました。


前回の『死ぬほど読書』(丹羽宇一郎)は、
「皆さん、本を読みましょう」的な
読書奨励の内容でした。

著者さんのこれまで読んできた本が
何冊も紹介されています。
でもこの本の中では、
「オススメの本はない」もしくは
「言わない」と書かれているんです。

理由は、自分がいいと思う本と
ほかの人が感銘を受ける本とは違うから、
だそうです。

自分自身のことを考えても、
若い時に読んで感動し影響を受けた本でも、
歳をとってから読み返してみると、
大した内容じゃないと感じたりする。

逆に若い時に
まったく触手が動かなかった本が、
色んな経験を積んでから読むと、
我を忘れるほど心に染みこんだりする。

同じ自分でも、
そんなに違うのだから、いわんや他人をや、
ってことだそうです。

だから
「この本はいいから読みなさい」と
オススメしちゃっても、
その人にピッタリであるはずはないと。

ふむふむ。
それはなんとなくわかります。

であれば、審査員がいいと認めて
何かの賞を受けた本であっても、
よいと思う人もいれば、
何じゃこりゃと思う人もいるってことかな。

で、この『ハリネズミの願い』。

本屋大賞(翻訳小説部門)を
とった本らしいです。
審査員はたしか全国の書店員さん。
その人たちの多くがオススメした本ですね。
よって、合う人もいれば合わない人もいる、と。





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2017年10月6日金曜日

『死ぬほど読書』(丹羽宇一郎)読みました。


ここの2つ前に書いた
『同時代ゲーム』(大江健三郎)の
感想文もどきの中で、

「一文一文が長い本を、
 ちゃんと理解して読めたなら、
 その内容はずんずん身体に染みこむ」

みたいなことを言いました。

でも正直なところを言うと、
ぼくが好きなのは、すすっと読めて、
内容がスポスポと
頭の中に入り込んでくれるような本なんです
……あ、言っちゃった。

文章をつくる仕事をしていながら
失礼なヤツだとは思うんですが、
極端なことを言えば、
文章なんてなくて、
内容だけズドンと心の中に
はまってくれるような方法があるなら、
そっちのほうが手っ取り早いし、
もっとたくさん色んなことを吸収できる。

もちろんそんな方法はないから、
そんならせめて、文章の解読では
なるべく手間をかけさせず、
内容を直球で
渡すようにしたいって思ってるんです。

で、この『死ぬほど読書』。

読みやすい本でした。
ススッと読めて、内容は
スッポンスッポン頭の中に
入り込んできました。
これたぶん、ライターさんが
聞き書きしたんじゃないかな。違うかな。

と、ここまで書いていうのも何ですが、

この本、もうちょい読みにくく、
つっかえつっかえ、
考えながら読むような文体に
したらいいのかも……。

って、どっちぢゃい。







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2017年10月4日水曜日

『火星に住むつもりかい?』(伊坂幸太郎)読みました。


若かりし頃、
スクリーンに齧りつくように観た
映画『スティング』の見せ場は、
やはりあのどんでんですよね。

いわばラスボスを騙くらかすため、
自分たちを死んだと見せかける。

騙されるのはラスボスだけじゃなく、
映画の観客も一緒という
憎いつくり方でした。ぐぐっときました。

たぶんそれと同じ頃だと思います。
テレビ漫画の『ルパン三世』でも、
ぐぐっとくるシーンがありました。

銭形たち警察をてんてこ舞いにさせようと、
あっちもこっちもルパンだらけにする作戦。
街を行く一般人を変装させて、
ルパンだけじゃなく、
次元、五右衛門、不二子も
ぎょうさん溢れさせ、
果ては銭形のコピーも練り歩く。
あれも、ぐぐっときました。

そんなぐぐっと場面を使って、
お話の中に盛り込めたら、楽しいだろうな。
でも、アイデアをそのまま使ったら、
二番煎じで興ざめだろうな……。

で、この『火星に住むつもりかい?』。

いやいや興ざめじゃあありませんでした。
逆に新鮮って思えちゃった。




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2017年9月28日木曜日

『同時代ゲーム』(大江健三郎)読みました。


ネットの検索によると、
日本の法律で一番長い名前は、

「日本国とアメリカ合衆国との間の
 相互協力及び安全保障条約第六条
 に基づく施設及び区域並びに日本
 国における合衆国軍隊の地位に関
 する協定及び日本国における国際
 連合の軍隊の地位に関する協定の
 実施に伴う道路運送法等の特例に
 関する法律」 だそうです。

これまたネットから引っ張った
落語の「じゅげむ」で、
たぶん一度は聞いたことがあるだろう
あの長い名前は、

「寿限無 寿限無 五劫の擦り切れ
 海砂利水魚の水行末 雲来末 風来末
 食う寝る処に住む処 藪ら柑子の藪柑子
 パイポ パイポ パイポのシューリンガン
 シューリンガンのグーリンダイ
 グーリンダイのポンポコピーの
 ポンポコナーの長久命の長助」のようです。

ネットからのコピペだけで文字を埋め
手を抜こうと考えたのですが、
それだけではまだ足りなそうなので、
自前の文章を少し加えます。

文章が長いか短いかだけで判断するのは
早計なんだろうけど、
やっぱ長いと読みにくいですよね。
(寿限無はちょっと意味が違うけど…)

どれが主語で何が述語で、
これはどれを修飾しているのか、
などなどを頭の中で整理しながら
読まなきゃいけない。

そんな文章を本気で理解しようと思ったら、
深い読書が必要になる。
深い読書ができれば、
描かれた物語もずずんと身体に染みこむ。

で、この『同時代ゲーム』。

再読のハズなのに
1ミリも覚えていませんでした。
前に読んだときは、
たぶん染みこむ読み方を
していなかったんだろうな。 




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2017年9月26日火曜日

『中原の虹(4)』(浅田次郎)読みました。


社会人になってからの大半の時間を、
パソコン前にして
ペコペコ原稿打つことに
費やしてきたぼくなので、

波瀾万丈の人生を
歩んできた人に比べれば、
人物を判断する能力とか経験は
ごく貧弱だと思います。

そんな薄っぺらな対人交流歴の中で、
なんとなく感じていることがあります。

それは
〈話に聞く人物はデカい〉ってこと。

噂話で聞く人物像は、
とてつもなく器の大きな人になる。
でも、実際にその人に会ってみると、
そんなに大したことはない。

話す人は、
自分のしゃべる内容に
興味を持たせたいと思って、
盛っちゃう部分があるんでしょうね。

「あいつ、すげーんだよ。
 いいヤツなんだ、ホントすげーんだから。
 話してみりゃわかるって」
みたいに「すげー」ばかりを連発します。

そうするとぼくの頭の中でも
「すげー」がかけ合わさって、
指数関数的に膨れあがっていく。

人格面でほめていれば
「ガンジーよりすげーかも」

頭の良さなら
「アインシュタインよりスゲー?」

ビジネスセンスなら
「すげー度はジョブズ越え?」

さて、もしそうだとすると、
小説で人物を描写するときも、
本人の行動を直接示すより、
ほかの登場人物に語らせるほうが
「すごさ」は増すのかな…。

で、この『中原の虹(4)』。

すげーです。
ほかの登場人物での語らせ方。
しびれます。




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2017年9月22日金曜日

『ゼロからわかる虚数』(深川和久)読みました。


テーブルみたいな形で
端っこは滝になっていて
海の水が流れ落ちている地球とか、

大きな皿状の大地を
ゾウが何頭も支え持ち上げている図とか、

横たわっている
巨大な人間の表面に
海やら地面やらが描かれ
それが世界全体を表している絵とか、

そんなふうな、昔の人が考えた、
この世の姿を見た覚えがあります。

そうした想像をしていた人たちは、
自分が住んでいるこの場所が
丸い球のようになっているなんて、
思いもしなかったんでしょうね。

ぼくだって、誰かに教えられなきゃ、
ボールに乗っているような状態で
生きてるなんて考えつかない。

とはいえ、
昔の人でも、丸い場所にいるというヒントは、
ちらほらと見え隠れしていたんでしょう。

地平線や水平線を眺めると
なんとなく両端は
丸くなっているように見えるし、

どこまでも海が真っ直ぐだったら
水平線はクッキリと線にならなくて
グラデーションで
だんだんぼやけていくはずだし、

船が近づいてくれば
帆の先端から徐々に見えてくるし。

そんな、ちょこっとしたヒントを
「なんでやろ?」とあれこれ考え、
「そうか、地球って丸いんだ!」
という答えになった。

で、この『ゼロからわかる虚数』。

ひょっとして虚数って、思いもしなかった
「この世界の本当の形を知る
 ヒントなんじゃない?」
なんて思ったり思わなかったり。




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2017年9月20日水曜日

『へこたれない UNBOWED ワンガリ・マータイ自伝』(ワンガリ・マータイ)読みました。


そのスジの人たちは、
トラブルがあったり、もめ事があったり、
という人が争っている状況を
「稼ぎどき」と考えて、
積極的にごたごたの場面に
乗り込んでいくのだと、
聞いたことがあります。

何らかの方法でその争いに勝敗つけて、
勝者からはお礼をもらい、
敗者からはふんだくる、
とかってことなんでしょうか。

どんな仕組みで「稼ぐ」のかは
知らないんですけどね……。

でも、それとは逆にぼくは、
争い事にはなるべく近寄りたくない人です。
(ほとんどの人がそうだと思うけど)

話を聞くだけだといわれても敬遠します。

……なんですが、
まったく一人で、
世知辛い世の中を生きているわけではないので、
ちょっとした衝突とか、不仲とか、
いがみ合いとかをしている人なんかが、
近くに現れることもある。

本心では避けたいのに、
相談に乗って欲しいといわれたり。

そんなとき、仕方なしに話を聞いてみると、
どう判断しても「相手が悪い」と思えちゃう。

そりゃそうです。
相談者は、その〈相手〉を悪いと考えて、
いざこざして相談しているんですから。

そのスジじゃなく、
公平に争いを収めたいと思ったら、
その〈相手〉の話も聞かなきゃダメですよね。
聞きたくないけど。

で、この『へこたれない〜』。

判断するには〈相手〉が書いた本も
読まなきゃと思いました。




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2017年9月14日木曜日

『ロボット・イン・ザ・ガーデン』(デボラ・インストール)読みました。


少し前に読んだ
『書く人はここで躓く』(宮原昭夫)の中に、
こんな作者のミスが例示されていました。

小説講座みたいなところの受講生の作品で、
普段は我が子の言うことなど
何も聞かない傲慢ママが登場するお話です。

ストーリーの途中で何か危険なことが起きて、
傲慢ママは子どもを連れてその場を離れ、
助けを呼びに行こうとする。

でもそのとき、
子どもが「疲れたからここに残る」と
わがままを言い出します。

傲慢ママは、仕方なく
子を残して一人で助けを呼びに行く。

したらそのあと、
残された子どもが、さらわれるか何かして、
物語はハラハラドキドキの
展開になるという筋──。

さて、この中のミスの指摘は、
傲慢ママが子どものわがままを聞き
一人残して行った部分でした。

だって、この場面になるまで、
ママのキャラをさんざん「傲慢」として
描いてきたんだから。

ここで急に、
素直ママになるのはあり得ないと。

ストーリーを面白くすることだけに
引っ張られて、他が見えなくなり、
作者の都合のいいように、
自分で決めた設定をねじ曲げちゃってる。
それじゃあ、読者はついていけない、と。

で、この『ロボット・イン・ザ・ガーデン』。

これがもし、小説講座みたいなところの
受講生の作品だったら、
いろんな指摘をされちゃうんだろうな。




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2017年9月12日火曜日

『中原の虹(3)』(浅田次郎)読みました。



中学高校の頃って、
見るもの聞くもの読むもの
周りのもろもろに、
どんどん影響されて、
人生観とか人との接し方とか
考え方とか言葉遣いとか、
くるくる変わっていきますよね。

それって一般的に
誰でもそうだと思うんですが、
もし違うんであれば、
少なくともぼくの場合だけは、
くるくるヘンゲに翻弄されてました。

洗濯機の中のシャツみたいに、
ぐちゃぐちゃにもみくちゃにされながら、
ひ弱な人格みたいなものが形になっていく、
みたいな。

そんなぼくの人格形成に、
影響を与えてくれたものは、
ラジオの深夜放送、
どん底を感じさせてくれる暗ぁーい映画、
歌詞の意味もわからないのに
なぜか元気の出てくる洋楽、
もちろん
家族とか友だちとかの周囲にいる人たち、
そんで、
半分(というか9割がた)忘れかけている
司馬遼太郎さんの描く坂本竜馬…。

で、この『中原の虹(3)』。

あの頃、この本の中に出てくる
張作霖のこと知っていたら、
竜馬以上に影響受けてたと思います。
あくまでも、
浅田さんが描いたこの本のキャラですけどね。




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2017年9月8日金曜日

『パーマネント神喜劇』(万城目学)読みました。


お寺や神社にお詣りに行って、
お賽銭を出してお祈りするとき、
ぼくは大抵
5秒くらい手を合わせるだけで
済んでしまうんです。

心の中で何かお願い事を唱えれば、
そんな一瞬では終わらないんだろうけど、

その願掛けすることが、
おこがましいというか、厚かましいというか、
何だか神様や仏様に対して
失礼なんじゃないかって思っちゃう。

特に激混みの初詣のときなんかは、
「こんなにたくさんの人が、
 一度に願い事を言ったら、
 いくら神様だったパンクするだろ」
などといらぬ心配をしてしまう。

だからぼくは、
手を合わせたとき「こんにちは」とか
「あけましておめでとうございます」とか
の挨拶だけ胸中でつぶやいて
賽銭箱の前から下りてきちゃうんです。

でも
それはそれで逆に失礼なのかもなって、
最近は考えるようになって
……まあ、
自分の中でどうするのが正解か、
結論は出ていないので、
当分は挨拶だけで済ませるでしょうが。

で、この『パーマネント神喜劇』。

お願い事をされる神様のお話。
ぼくも一度このテーマで
物語をつくってみようかな。
そうすれば、結論が出るかも。




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2017年8月31日木曜日

『明治・妖モダン』(畠中恵)読みました。



「あんなに大きくて重たい船が
 なんで海に沈まないで
 いられるんだ?」
って質問に、

「それは浮力が働いているから」
と答えたとき、

「浮力ってヤツは真面目なんだな」
と真剣に返されたら、
まあ苦笑しちゃいます。

読んでいる本の中に
そんなセリフが出てきたら、
クスクスっとほほが緩みます。

「浮力」って名前の小さな人たちが、
潜水服に身を固めて、
一生懸命船を押し上げている絵も
浮かんできたりします。

あ、こんな会話が出てきたのは、
伊坂幸太郎さんの作品でした。

本棚から引っ張り出して
正確に引用すればいいんだけど、
面倒だったので、
記憶をたどって雰囲気だけ引用しました。

そういったクスクスとか
ギャハハが入っている作品が
好きなんです。

ほかに、今ぱっと思い浮かんだのは、
森見登美彦さんの作品。

タヌキが主人公ってだけで、
にやにやしてきちゃうのに、
あちこちに
笑いの仕掛けが張ってある『有頂天家族』。
例えば、本当は馬鹿なのに
頭を良くみせようとするタヌキが、
意味不明の四字熟語を連発するとか。

で、この『明治・妖モダン』。

畠中恵さんの『しゃばけ』が好きです。
(シリーズが続き過ぎて、途中から未読ですが…)。
あの本、クスクスやニヤニヤが、
ほどよくブレンドされているんですよね。

だからこの『明治〜』にも、
そんな要素を、もうちょい加えてもらいたかったな。




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2017年8月29日火曜日

『ちゃんぽん食べたかっ!(下)』(さだまさし)


確か糸井重里さんだと思うんですが
(違っていたらごめんなさい)
同窓会とかクラス会とか、
昔の仲間が集まるところが苦手だと、
エッセイか、何かのインタビューかで
言っていました。

学生時代の仲間は、
だ何者にもなっていない時期の
つながりですよね。

将来、
途方もなく偉くなっちゃうヤツも、
落ちぶれちゃうヤツも、
人気者になって
世の耳目を集めちゃうヤツも、
みんな一緒くたのごった煮闇鍋状態。

だからまあ、
その時は世間的な優劣は何もなくて、
いに気づかいもなく、
楽しく過ごせる。

でも、それが社会に出て、
それぞれが
何者かになったあとで集まると、
昔のままの気持ちじゃ、
いられなくなる。

自分ではそんなこと考えていなくても、
ねたみをもらすヤツも出てくれば、
あわれみをかけちゃう人も出てくる。

そんな空気がイヤなんだそうです。

だから、人が集まる宴会ならば、
今一緒に仕事で何かを
動かしている仲間だとか、
新しいプロジェクトに
かかわっていく人たちだとかで、
騒いだほうがいいんだとか。

で、この『ちゃんぽん食べたかっ!(下)』。

この本を読む限り、さだまさしさんは、
同窓会だろうがクラス会だろうが、
現在の仕事仲間だろうが、
どこでも関係無く、
楽しめちゃう人なんだろうなって感じました。
それが好きです。







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2017年8月24日木曜日

『あとは野となれ大和撫子』(宮内悠介)読みました。


あれはいつ頃のことだったのか。
子ども時代であったのは
間違いないんですが、
何歳だったのかとか、
どこの場所だったのかとか、
そういう細かなトコは覚えてなんですよね。

まあ、覚えておくほど
大した出来事じゃないけど。

そう、ほんと大したことじゃない。
一言でいえちゃう。
「昔、ぬかるみにはまりました」
以上。

あ、これで終わっちゃ、手抜きだな。

なので、もうちょい説明します。
たぶん、土砂降りの雨が上がった
あとだったんでしょう。

あちこちに水たまりが出来ていました。

昔は、
道路も舗装されていない場所が結構あって、
地面はあちこち土が
むき出しになっていたんです。

子ども時代といえば、
つまりガキですから、
水たまりを見つけたら、
バシャンって足を突っ込みます。

水しぶきを飛ばして、ぎゃははと、
鼻水と一緒にツバと奇声を振りまいたら、
数歩先には別の水たまりがある。
そこでまたバシャーンです。

そんなことを繰り返していたとき、
深いヤツがあったんですね。
今までは浅かったのに、
そこだけ土がドロドロになってて。

片足をつっこんだら、
抜けなくなっちゃった。
長靴から思いっきり足をひっぱったら、
足だけ抜けてスッころび、全身ドロドロ。
そういうときは、もちろん泣きます。
ガキですから。

で、この『あとは野となれ大和撫子』。

小説の深さも、水たまりと同じように、
突っ込んでみないとわからないもんですね。




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