2011年2月28日月曜日

いろんな感じが錯綜する読書

『建てるお墓 継ぐお墓』(杉村和美)読みました。

実用のために実用書を買って読むのは
たぶん年に1〜2回あるかないかです。

で、今回はそれに該当。
でも実用情報を得ることより、
面白いか面白くないかを判断してしまうぼくが
悲しくも楽しいです。

この本は今、家族総出で取り組んでいる親父の
お墓探しに役立てようとして買ったもの。

その手の情報にはまったくうとかったぼくには、
それなりに新鮮で「ほーっ、そうなの」と
うなずく部分がたくさんありました。

なので、面白い、面白くないという単純な判断基準に
照らすと面白いに傾きます。

それはそれでいいんですけど、
同じような実用書をつくっているぼくにとっては、
よくも悪くも、つくり手の様子が見えてきちゃいました。
あー、ここは資料が足りなくて、幅を広げるのをやめたんだな、
でもその逃げ方がうまいから全然違和感ないなとか、
そうそうここで呼び掛けみたいな文体にすると、
読みやすくなるんだよね、とかとか。

で、そういうふうな視点で読んでると、
なんだか仕事をしているような気になってきて、
この本はずっと自宅で読んでいたんですが、
なぜか仕事場の机にいるような気分になり、
やり残している事務作業のことなんかが頭に浮かんできます。

お墓の情報を得ようと思って、
やり残した事務作業が頭に浮かび、
つくり手の様子がチラチラしながら、
新鮮な情報に「ほーっ」とかいう。
なんだかヘンな読書体験でした。


建てるお墓 継ぐお墓 (これでOK!)建てるお墓 継ぐお墓 (これでOK!)
杉村 和美

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2011年2月9日水曜日

そこそこだけどまだまだ

『降水確率』(娘ほか大学生)読みました。

うちの娘は大学生で、小説家でもある教授のゼミに入っています。
そのゼミでは1年かけて各学生が短編小説を1つ仕上げ、
集まった十数本の作品をソフトカバーの本にまとめるってことやってます。

そのまとまった作品がこれです。

だから、どこにも市販されてはいません。
いわゆる自費出版というか、課題プリントというか。そんなモンです。

嫌がる娘をなだめて、無理矢理その課題作品を
家に持ってこさせ、読んじゃいました。

そして、それを自分の読書遍歴の一つとして、
こんなふうに文章にしているんです。
なんとまあ、ヘンな親です。
でも学費出しているんだから、それくらいいいでしょ。

作品のレベルは、そこそこだけどまだまだ。
ひらがなばかり並んで
どこでどう区切って読めばいいのか
わからないような「そこそこだけどまだまだ」レベル。
うん、我ながら適切な表現だと感心しちゃいます。

親としては、娘の作品にこれから朱字を入れながら
添削しちゃおうかと考えています。

それには、娘の短編部分だけのテキストデータが
欲しいんですが(本に直接落書きすると怒られるので)、
それを娘からもらえるかどうか。
さて、なんて言おうか。これから口説き文句を考えます。

2011年2月3日木曜日

ノスタルジーが、ほわほわと。

『花まんま』(朱川湊人)読みました。

正確な人数ははっきり覚えていないのですが、
うちのお袋には、十数人の兄弟姉妹がいます。

お袋はそのうち真ん中あたり。
何番目になるのかはよく知りません。

でも、その中で結婚したのはわりと早く、
初孫ではなかったものの、
祖父母にとって、ぼくは2番目に生まれた孫でした。

そして、ぼくの従兄にあたる初孫は、
遠方に住んでいたらしく、なかなかじいちゃんちには顔を出さない。

そのせいか、ぼくが行くと、ベタかわいがりをされた記憶があります。

しかも、じいちゃん、ばあちゃんだけでなく、
そこに住んでいた大勢の
お袋の兄弟姉妹(つまりぼくにとっての叔父叔母)にも、
可愛い可愛いと言われ、べたべたいじくり回されていました。

実は、ぼくはその状態があまり好きではなく、
でも、お小遣いをもらえたり、おもちゃを買ってもらえたりしたので、
子供ながらに不平をもらしちゃいけないと、
されるがままに我慢していたんです。

ってなことを長々説明したんですが、
実はそこに特別の意味があるわけじゃなく、
この先、面白い話に展開していくわけでもないんです……すいません。
まぁ、それだけのこと。


で、この『花まんま』。

読んでいると、幼い頃のことが、
ほわほわと頭の中に浮かんできます。

ちょうど著者がぼくと同じ年齢のようで、
ノスタルジーポイントがドンピシャなんでしょうね。

ただ、今は、ぼく自身が、
なぜかノスタルジーをそれほど欲している時期にはないようです。

つまらなくはないけど、のめり込むほどでもないかな
……ってトコが正直な読後の印象でした。


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