バブル経済が華やかなりしころ、
ぼくのまわりにいた友だちも、
みんな元気ハツラツで、
じゃかすかじゃかすかお金を使って、
豪勢な遊びを目一杯堪能していました。
それを横目に見ていたぼくはというと、
以前から変わらぬ貧乏暇なしで、
「みんなすごいなぁ、なんで、ぼくのトコには、
みんなみたいな“豪勢”が回ってこないのかな」
なんてぼんやり思ってました。
んで、バブルが崩壊すると、
豪勢だったみんなが意気消沈して、
質素倹約に一気に乗り換え。
それでも、ぼくの貧乏暇なし状態には変化はなく、
みんなのほうが、少しだけぼくの生活レベルに
近づいてくれたかな、くらいに思っていました。
社会全体をぐるぐるする景気の波は、
どういうわけだか、ぼくのトコを避けていくようです。
総花的なマクロ経済ってものは、
ぼく個人にとって、あまり意味をなさないのかもしれません。
で、この『幸福度をはかる経済学』。
みんなが幸せに感じているかどうかを調べ、
それを経済の判定基準の一つにしたらいいかもねっていう本。
ただ、幸せ度をはかるときのやり方が、
みんなにアンケートをとったりして、
「国民の80%は幸せと感じている」
みたいな結果を出すことらしいんです。
んで、
これだとたぶん、ぼくのように世間のマクロ的な波が
避けていく人には、あんまり意味がないんだろうな。