2013年8月29日木曜日

『人造人間キカイダー The Novel』(松岡圭祐)読みました。


あなたに女の子の一番大切なものをあげるわ〜♪
と、ちびまる子ちゃんが口ずさんでいたら、
お母さんが、
「そんな歌、うたっちゃダメ」
と叱る場面がありました。

まるちゃんは、
歌詞の意味なんか考えもせず、
百恵ちゃんの真似を楽しんでいただけ。

でも、お母さんは大人で、
文脈から想像されるいろんな場面を頭に描き、
「ダメ!」と言っちゃった。

流行歌にしても、人気のテレビ番組にしても、
歌詞や物語の深い意味など考えないのが子どもです。
それでも、みんなが楽しんでいるから、
何や知らんけど、楽しんじゃう。

で、この『人造人間キカイダー The Novel』。

まぁなんて、どんよりしたお話なんでしょう。
それでも、子どものころやってたテレビでは、
楽しんでたんですよ、ぼくは。
どんよりが好きだったわけじゃないんですけどね。
(テレビのストーリーはこの本とほぼ同じですたぶん)


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2013年8月26日月曜日

『キャプテンハーロック』(竹内清人)読みました。


結局もとのママ——これは、企業の宣伝用の
チラシやパンレットをつくっているときに
よくあることです。
具体的には、下記のような具合。

チラシなりパンフなりを制作し提出(第1号)
→ クライアントの担当者さんがチェック。
「AとBとCの部分がダメなので直してください」

指示の通り修正したものを提出(第2号)
→ 担当者さんが、直属の上司さんに見せ
「DとEとFの部分がダメなので直してください」

指示の通り修正したものを提出(第3号)
→ 直属の上司さんが役員のチェックを受け
「A、B、CとD、E、Fの部分がダメなので直してください」

指示の通り修正したものを提出(第4号)
→ 担当者さんから
「OKなので、印刷に回してください」と返事。
……その後、第1号と第4号は同じであることに気づく。

誰かがどこかで、ぶれない意志を持ち、
「ここを直すべきではない!」って言うと、
こういう作業のロスはなくなります。
が、往往にして、こうしたみんなの優柔不断さが、
日本の経済を支える要因にもなってる気がします。

で、この『キャプテンハーロック』。

主人公が優柔不断でした。


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2013年8月21日水曜日

『ミリオンセラーガール』(里見蘭)読みました。

この前、机を整理していたら、
高校時代にみんなで海に行ったときの
写真が出てきました。

砂浜に埋まっていた大きな岩
(小さな軽自動車くらいのサイズ)を、
10人ほどの悪ガキどもが掘り起こし、
みんな満足げにポーズを取っているスナップ。

デカ岩にのってピースしているヤツとか、
寄りかかってタバコを吸う真似しているヤツとか、
岩の下に入り込んで「助けくれー」って
演技しているヤツとか。

そうそう、そういや、
そんなことありましたわ。

岩を掘り起こしても、
誰かがご褒美をくれるわけでもなく、
「何バカなことやってるんだ!」
と怒られることはあっても、
決してほめられることはないアホな行為。
なにせでかいんです、岩。

でも、あんときゃ、みんなホントに頑張った。
なんかに取り憑かれたみたいに、
がんがんの日差しなんかモノともせず、
木の切れっ端を使っているヤツもいたけど、
ほとんどは道具を見つけられず素手で砂をかきわけ、
ときどき何かの破片で手を切って血を出しながら。

みんなでなりふり構わず、
がむしゃらにやること、大好きです。

で、この『ミリオンセラーガール』

みんなでなりふり構わず、
がむしゃらにやる場面があります。
(そこで描かれていたのは、
 とても意味のあることなんですけどね。
 悪ガキどものやったこととは次元が違いますけどね)
もうそれだけで、この本好きになりました。
(本の中で描かれたがむしゃら行為が何の意味もなく
 アホとしかいいようない行いだったらもっと好きだけど)


ミリオンセラーガール
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2013年8月20日火曜日

『Gene Mapper -full build-』(藤井太洋)読みました。


ぼくは自分で服を買ったことがほとんどありません。
ぼくが着ているのは、
たいていはカミさんが選んで買ったもの。

一緒に買い物に行って、
「これでいいでしょう、ねっ」と言われ、
ぼくは決まって
「まだ着られる服はたくさんあるから要らないよ」
と言うのですが、
それでもぼくのひ弱な拒否力をゆうゆう乗り越えて、
タンスの中に忍び込んでくる服たちが、
いっぱいいるんです。

服の趣味なんて、
個人個人で微妙に違うのが当たり前なので、
カミさんが選んで買ってくれた服は、
ぼくが100%気に入るとは限りません。

でも、いろいろな諸事情から、着ます。
見た目に「これちょっと趣味悪いんじゃないのぉ」
と感じたとしても、着ます、諸事情で。

すると、なぜか変わちゃうんです。
その服のイメージというか、
事前に思っていた着心地というかが、
違ってくるんです。
もちろん、着てみて余計に違和感を感じる服もあります。
でも、多くは「あれっ、こんなにしっくりくるんだ」。

服にしても、何にしても、
最初から「自分には合わない」
などという先入観を持っちゃダメなんですね。
何がはまるかは、試してみなきゃ、わからない。

で、この『Gene Mapper -full build-』。

ジーンマッパーフルビルド。
最初、電子書籍で個人出版され、
人気が出たので、紙の文庫本で出されたものだそうです。
それを聞いたときぼくは、
「あーあ、また勢いだけで売れちゃった本かぁ
 ……何度もだまされるからな」と。

それでも、ひ弱な拒否力を乗り越えて
タンスに忍び込む服たちのように、
なぜか本棚にジーンが入っていたんです。
それなら、着ちゃえ! と読んでみると……。

わーっ、フィット!フィット! おもろいですわ。

やはり、何事も先入観だけで拒否っちゃダメですね。
……先入観ゆえに、出会えず、
見逃している本って山ほどあるんだろうな。


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2013年8月19日月曜日

『いかにして問題をとくか』(G.ポリア)読みました。


本好きの間でよく話題になる
「無人島に1冊だけ持って行けるとしたら何にする?」

今まで色々考えてきました。
でも、そのときどきで答えは変わるんですよね。
人恋しいだろうから、人情ものがいいいかな、とか。
ヒマだろうから長い本がいいかも、とか。
ヒマつぶしなら、いっそ読めない本がいいんじゃない、
サンスクリット語で書かれている経典とか。

で、この『いかにして問題をとくか』。

この本、
ぼくの「無人島に持っていく1冊」に決めました。
(まあ、現時点の判断ですけどね、時間がたてば、変わります)

実は、今回読んだとき、
わからないトコとか、ややこしい数式とか、
じっとこらえて頭を使わないとダメなトコとか、
飛ばし読みしちゃったんです。

それでも、
本の芯が、がちっと面白いから、
なんだか、うきうきわくわくしながら読み進められたんです。
少し難しく格好つけた言葉でいうと、
知的興奮ってやつですかね。

さて、いつか無人島に行ったら、
その飛ばし読みしたトコ、じっくり理解しながら、読もっと。

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2013年8月15日木曜日

『魔獣狩り〈淫楽編〉』(夢枕獏)読みました。

親指でぽんとフタを開けて
シュッと火をつけるジッポー型の
ライターを持っています。

でも、使ってないんです。

そのいきさつは、以下の次第。
ドンキのような安売り店で、
あの金属製のライターに
100円の値札がついていたんです。
「わっ、こりゃ、お買い得」
と思って、思わず購入。

家に帰り、にんまりしながら、ビニール袋を破り、
少し格好つけながら、ぽんっシュッとやってみた。

でも、まったく火がつきません。
何度か繰り返してもやっぱダメ。

そうか、オイルが入ってないんだ。
普通の使い捨て100円ライターとは違うのね。あーあ。

オイルを買ってくればいいんだけど、
ほかの買い物途中に、
それを思い出すような賢さは持ち合わせておらず、
それだけをわざわざ買いに行くのも
「なんだかなー」って思いつつ数年が経過。

ということで、100円ジッポーは、
今も引き出しの中に火をつけられることなく眠っています。
本日の教訓「その商品は単体で使えるのか確認後に購入」。

で、この『魔獣狩り<淫楽編>』。

単体でお話が完結すると思って買ったんですが、違いました。
いいところでちょん切れて、次の巻に続くんです。

カバーの説明書きにはちゃんと書いてあったんですけどね。
よく確かめずに買った自分が悪いんですが、
この文庫本は、あの100円ジッポーと同じ運命かな…。
最初からわかっていれば、そのつもりで読んだんだけど、
なんにもつもりがなく、いきなりだと面食らってしまい…。
これからは上の教訓を生かそっと。



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2013年8月6日火曜日

『人間の性はなぜ奇妙に進化したのか』(ジャレド・ダイアモンド)読みました。

このブログでは、
読んだ本の内容をなるべく書かないようにしています。
本の内容を紹介しない読書感想文があっても
いいかなって思いましてね。
それに本の内容は、ネットを見れば、
たいていどっかのサイトに書いてあるから、
ぼくがやったら重複するでしょ、って思って。

しかし。でも。
今回だけは、ルールを破っちゃおうかなって思いました。
この『人間の性はなぜ奇妙に進化したのか』に書いてあることを
読んで、長年考えていた疑問が、
少しだけ解けてきたような気がしたからです。

だから、ここで教えたくなっちゃいました。

疑問ってのは、人はなんで死んじゃうか、です。
この質問に、
とっても上手なたとえ話で答えてるんです。

人間の身体を自動車にたとえたお話。

自動車に乗っていて、
タイヤだとかワイパーだとかが痛んできたら、
その都度、痛んだ部品を交換して、乗り続けようとします。
そうやって長年乗っていると、
交換しなきゃいけない部品がたくさんになり過ぎて、
新車を買ったほうが得になる時期がくる。
そうなると車を買い換え、今までの車は廃車する。

その流れが人間にも当てはまるって、
言ってるんです、著者のダイアモンドさん。

人の身体で痛んできた部分は、
細胞分裂とかでだいたい入れ替わる。部品交換です。
でも、長年使い続けると、
部品交換より、全取っ替えで新品にしたほうが安く済む。
全取っ替えってのは、つまり、
赤ちゃんをつくり、新しい身体になること。
その新しい身体がちゃんと大きくなったら、
古い身体は必要なくなり、廃車される。

この意見、すんなり全部を受け入れたわけじゃないけど、
長年の疑問にちょっとだけヒントがもらえた気がしました。

ダイヤモンドさんの著作はたしかこれで3冊目だけど、
どれもこれも面白いですわ。
一部だけでも内容を紹介したくなっちゃうくらい。
(そう、上で紹介したのは、ほんの一部分です)

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2013年8月5日月曜日

『木枯し紋次郎(五)~夜泣石は霧に濡れた~』(笹沢佐保)読みました。

最近Amazonで電子書籍を出版したんですが、
その出版までの過程で、一番よかったのは、
「デジ本って結構使えるじゃん」
ということが、わかったこと。

著作権が切れた昔の作品が、
無料でずらーっと並んでて読み放題だったり、
本屋さんでいくら探してもなかった本が、
簡単に見つかったり。
それらは、Kindle専用のリーダーに入れて、
会社帰りのバスの中で楽しんでます。

んで、この紋次郎シリーズも、
1巻から3巻までは本屋さんで簡単に見つかったんだけど、
その続きが見つからなかった。
しかたなく棚にぽつりと残っていた8巻を買って、
間を抜かして読み、そのあとはもう諦めて、
「見つかったら読も」くらいの気持ちだったんです。
そう思ってたんですが、
「待てよ、デジ本ならあるかも」と検索したら、
やっぱありました。
(でもどういうわけか4巻は見つからず、5巻から)

ってことで読んだのが、この『木枯し紋次郎(5)』。

なんですが……
間隔があきすぎたからか、
前にはまっていたときより、ぐっと来ません。
おかしいな、自分の好みが変わっちゃったのかな。
またしばらく時間をおいて、再読してみよっと。
次の6巻目を買うのはそのあとで。


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2013年8月2日金曜日

『海賊とよばれた男(下)』(百田尚樹)読みました。

ついこの前、
昔懐かしのアニメ『侍ジャイアンツ』が、
なぜかテレビでやっていて、
思わず見入ってしまいました。

驚いたのは、
30分の枠内でお話がきちんと完結していたこと。
今のアニメなら、
いいところでちょん切って「続きは次回!」
みたいな手を使うのに、
そんなこざかしい真似はしない。

アニメでも映画でも小説でも、最近の作品は、
期待をぶくぶく膨らませたり、
面白い場面だけびゅびゅんつなげたりと、
観客や読者を楽しませる手法が、
ついていけないくらい進化しているように思います。

スピードが苦手で、
免許を取ってから何年もたつのに、
高速道路を運転するのは怖いなぁ、
なんて思ってるおじさんのぼくには、
そういうのが結構きつかったりするんです。

それに、
「楽しませ手法」を使ってるな、
と気づいちゃうことも度々あり、そうなると、
「いやいや、もういいから、素直にいきましょうよ」
って気持ちになっちゃう。
あぁ『侍ジャイアンツ』は、よかった。

で、この『海賊とよばれた男(下)』。

『侍ジャイアンツ』じゃありませんでした。
「楽しませ手法」満載で、お腹いっぱい。



海賊とよばれた男 下
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