2014年4月30日水曜日

『モダンタイムス(下)』(伊坂幸太郎)読みました。

ぼくはカミさんと高校のときに付き合い始め、
結婚して、かれこれもう30年以上も一緒にいます。

ありがたいことです。

ありがたいは「有り難い」で、
「有る」ことが「難しい」、
つまりあまりないってことですよね。

それと違ってよくあるのは、
最初の頃は熱々だったけど、さんねんみつき程たって
互いに我を通してわがままを言い始め、
冷え冷えを通過して、さよならのパターンですかね。

始めの頃は面白いと思えたものが、
慣れてくるのか飽きてくるのか、
だんだん面白く思えなくなっちゃう。

で、この『モダンタイムス(下)』。

上巻は「こりゃ大変だー!」
って思うくらい引き込まれ、
夢中になって読んでいたんです。

下巻もその勢いで三分の一くらいまでは
本にかぶりついていました。
でもなぜか、
そのあとは熱々の温度が急に下がっちゃったんです。
自分にとって有り難いと思える本に
出会うのは難しいですね。
あっ、だから有り難いなのか。


モダンタイムス(下) (講談社文庫)
伊坂 幸太郎
講談社 (2011-10-14)
売り上げランキング: 22,091


**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************

2014年4月28日月曜日

『細胞紳士録』(藤田恒夫/牛木辰男)読みました。

うちはちっぽけな会社なので、
本をつくる本業の仕事だけじゃなく、
帳簿づけの事務仕事なんかも、ぼくがやります。

そういう作業をしていてよく思うのが、
「税金とか社会保険とかの、
 お上が決めたルールは複雑すぎる!」ってこと。

複雑すぎるルールを知らないと、
払わなくてもいい税金を納めちゃったりする。
決まり事を知っている人だけ
得をするって仕組みってどうなのよ、
って思っちゃうんです。

複雑に入りくんで、
あちこちで細かく組み合わさったルールを
全部頭の中に叩き込んでおかないと、
適切な税金も払えない。
それはちょっとおかしいでしょ。
ということで、
その不都合を解消するために専門職の人がいる。
その人に任せれば、ルールに則った会計処理ができる。

……でもね、複雑なルールそのものを、
単純明快で誰でも一目で理解できるものに変えれば、
そのほうがいいんじゃいの、なんて思ったりもするんです。

とはいえ、
そのルールの単純化作業、ぼくにはできません。
できないから、これまでのやり方、続けます。
複雑な社会の仕組みには歯向かいません。

で、この『細胞紳士録』。

人間の身体って、
気が遠くなるくらい複雑にできてるってこと
嫌ってほど、わからせてくれました。複雑万歳!


カラー版 細胞紳士録 (岩波新書)
藤田 恒夫 牛木 辰男
岩波書店
売り上げランキング: 168,822


**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************

2014年4月25日金曜日

『モダンタイムス(上)』(伊坂幸太郎)読みました。

昔、『ミスト』ってゲームにはまりました。
確かパソコンを買ったらバンドルされていて、
試しにやってみたら面白くて
やめられなくなったのがきっかけ。
あれもストーリーがあるから
ロールプレイングゲームなのかと思って
ネットで調べたらアドベンチャーゲームって分類でした。

画面に出てくるヒントをメモしまくって、
舞台のミスト島の地図を書いて、
どうしても進めなくなったらネットで検索して
ヒントが載っているサイトを参考にして、
仕事の合間を見つけつつ、なんとか最後まで、
相当な時間をかけて制覇したんです。
んで、
それが終わった頃には
もう続編が3作くらい出ていました。

そこで
「さて、続編はどうしよう」って思ったんです。
もちろん、ほかに何にもやることがなければ
即ゲットしたかった。続編も面白いって評判だったし。

でも「買ったら睡眠時間がなくなるぞ」
「本も読めなくなるぞ」
「仕事にも支障が出るぞ」
と天使だか悪魔だかの声が聞こえてきたんです。

そうして悩みに悩んで結局、
続編に手を出すのは止めました。

で、この『モダンタイムス(上)』。

今まで伊坂さんの作品は
『ゴールデンスランバー』と短編をいくつか読みました。
それらを読んだ後で聞こえてきたのが
「この人の作品には絶対はまる。
 ここで止めておくのが無難だぞ」
という天使だか悪魔だかの声だったんです。

しかしながら今回、
その禁を破って手を出しちゃいました。
まだ上巻だけど、やっぱり、どっぷりです。


モダンタイムス(上) (講談社文庫)
伊坂 幸太郎
講談社 (2011-10-14)
売り上げランキング: 29,123


**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************

2014年4月23日水曜日

『レイジ』(誉田哲也)読みました。

ぼくは高校時代、
部活でバドミントンをやっていました。
今は年に一度のOB会でしか
やらなくなってしまったんですが、
当時は勉強そっちのけで、のめり込んでいました。

バドミントンをやっていて、
ぼくがよくミスるのはシャトルを飛ばす距離です。

バドミントンのコートは意外と小さくて、
真ん中のホームポジションで構えていれば、
どのコースに球が飛んできても
たいてい打ち返せます。

だから、一球打つごとにホームポジションに戻り、
次の球に備えるんです。

でも無理な体勢で打ったときなどは
戻るのが遅れることもある。
よって相手の戻りが遅れたとき、
その位置から一番遠い場所に球を打てば
ポイントは稼げます。

例えばこちらが右前に落とす球を打って、
それを返球した相手が
上手くホームポジションに戻れないとみたら、
一番遠い位置の対角線反対側の左後に返せば、
追いつけずにシャトルを相手陣地に落とせる。

この例でいえば、左後に打つときなんです。
ぼくがよくミスるのは。
最初にいった「シャトルを飛ばす距離」のミス。

あくまでも「距離」のミス。
左後という「コース」を狙うのは大丈夫なんです。
コースは合っていても、
打った球の距離が短かったり長すぎたりしちゃう。

短いときは、相手のラケットが余裕で届き、
長いときはラインをオーバーしちゃう。
コースはいいのに距離が合わない。
コースも距離もドンピシャってなかなか難しいんですわ。

ちなみに、
ぼくたちは距離が短いときは「浅い!」、
長いときは「深すぎ!」と言ってました。

で、この『レイジ』。

コースは良かったです。
でも、ぼく的には距離がぴったりじゃなかった。
ちょい浅く感じちゃいました。


レイジ (文春文庫)
レイジ (文春文庫)
posted with amazlet at 14.04.23
誉田 哲也
文藝春秋 (2014-03-07)
売り上げランキング: 11,188




**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************

2014年4月21日月曜日

『点と線』(松本清張)読みました。

知り合い編集者さんが、
こんなこと言ってました。

「若い頃読んだときには、
 推理とか謎解きとかのパズルを
 解くような楽しみがしたくて、
 どきどきわくわく感を味わうために
 手に取っていたいた。
 だけど、年をとった今、
 一連の作品を読み返してみて、
 松本清張はそれだけじゃないとわかってきた。
 簡潔な文章で余さず表現してしまうテクニックや
 息をのむような人間洞察の深さ、
 人の業を描く姿勢など、
 読み返すほどに感心するよ」

そうか。
松本清張さんの作品はそんなにいいんだ。
ぼくも若い頃、2、3冊読んだ覚えはあるけど、
今読むと違うんだろうな。
読んだ本の内容はもうすっかり忘れているので、
読み返すのにはちょうどいいし。
ということで、その方に

「じゃあ、取っかかりとして読むには
 何がお薦めですか?」と聞いたところ、

『点と線』でしょ。

そういうわけで、読んだ本です。
昔、読んだハズなのに、
やはり内容はすっかり忘れていました。

だからなのかもしれませんが、
推理とか謎解きとかのパズルを解くような
わくわくどきどき感ばかり楽しんでしまい、
もっと深い所までは届かなかったんです。

あと10年たってから、
もう一回読んでみようかな。


点と線 (新潮文庫)
点と線 (新潮文庫)
posted with amazlet at 14.04.21
松本 清張
新潮社
売り上げランキング: 22,626


**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************

2014年4月18日金曜日

『国銅(下)』(帚木蓬生)読みました。

だいぶ前に流行った歌で、
ナンバーワンじゃなくてもいいから、
オンリーワンに……って曲がありましたよね。

ネットを検索すればわかるだろうけど、
わかっちゃうと、そこに載っている歌詞を
そのままコピペして、著作権をあれしそうなので、
うろ覚え状態のまま進めます。

さて、その曲では確か、
みんなそれぞれ個性があるんだから、
その個性を尊重して、
比べちゃいけないといってました。
比べてどれが一番とか競うのはやめようって。
もっと特別なオンリーワンのほうがいいじゃんって。

そうそう、ぼくはその意見に賛成です。

ところが、この曲が流行した当時、
そのオンリーワン主義に反対する人が、
ぼくの周りには結構いたんです。
競うからこそ発展があるんだって。
ナンバーワンを目指そうよって。

へたれのぼくは、
そういう人たちに対して、
「でもさ、ギスギスせり合うんじゃなくて、
 みんな仲良くするのは、いいことでしょ」とかいって、
へらへらと弱々しく反抗した覚えがあります。
比べないで、オンリーワンがいいよって。

で、この『国銅(下)』。

描かれている時代は、
井上靖さんの『天平の甍』とほぼ同じです。
描いている対象は全然違うんですが、
どっちかというと、
『 天平の甍』のほうがよかったです。
……あっ、比べちゃった。


国銅〈下〉 (新潮文庫)
国銅〈下〉 (新潮文庫)
posted with amazlet at 14.04.18
帚木 蓬生
新潮社
売り上げランキング: 170,664


**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************

2014年4月16日水曜日

『オービタル・クラウド』(藤井太洋)読みました。

仕事関係でご無沙汰していた人と
久しぶりに会って、
部署や連絡先などが変わったからと、
改めて名刺交換したとき
「えっ、この人が部長になったの?」
などと驚かされることがあります。

別に部長限定じゃなく、
社長でも係長でもなんでもいいんですが、
なぜ驚くかといえば
「本当にこの人で大丈夫なの?」と思うから。

ご無沙汰していた期間とその人の能力を考えて、
その昇進が順当であれば、
そんなに驚くことはありません。

でも、かつて一緒にやっていた仕事の進め方や
人との接し方なんかから判断して、
その役職は荷が重すぎるんじゃないのと思える人が、
結構なポジションについていたりする。
それでも、周りの人から話を聞くと、
仕事はばりばりこなしている様子。
それが驚きなんです。

「役職が人を育てる」っていいますよね。
まさにそれです。
傍目に、その人には荷が重すぎると思っても、
いざ荷を背負わせちゃえば、
重さに耐えられるだけの筋肉は、
誰にでもついていくってことでしょうか。

で、この『オービタル・クラウド』。

物語の始めのほうと終わりのほうで、
主人公のキャラが変わったように思えました。
それは「役職が人を育てる」のと同じように
「ストーリーがキャラを育てた」んだなと感じました。

最近のマイブームは、
五ツ星評価だった本を、
それほど間を置かずに再読すること。
この本も再読リストに入れました!


オービタル・クラウド
オービタル・クラウド
posted with amazlet at 14.04.16
藤井太洋
早川書房
売り上げランキング: 1,287


**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************

2014年4月14日月曜日

『ふりだしに戻る(下)』(ジャック・フィニイ)読みました。

この読書ブログについて
Facebookでコメントを寄せてくれる
高校時代の友だちがいます。

その友だちがこんなこと言ってました。
「上下巻に分かれている本を
 2冊まとめて買っちゃったとき、
 最初に上巻を読んで面白くないと思っても、
 もったいないから下巻も我慢して読んでしまう。
 でも、そうやって読んだ本の中で、
 上巻が面白くないのに
 下巻が面白くなるってことはなかった」

ふむふむ、そうですよね。
ぼくの場合も、たいていは、このコメントと同じ。
上下不変の法則とでも呼びましょうか。

で、この『ふりだしに戻る(下)』。

なんと!
法則が当てはまらない本でした。
しかも、下巻の4分の3までは上巻と同じで
「ぼくにはこの面白さがわからないなぁ」
と感じていたんです。

それが最後の最後で、うっひゃひゃっ!
ごっつ、オモロイです!!
もし、なんかのきっかけで、
この本を読み始めた人がいたら、
途中で挫折しないで最後まで読んでくださいね。
無駄にはならないと思いますよ。


ふりだしに戻る (下) (角川文庫)
ジャック・フィニイ
角川書店
売り上げランキング: 229,819



**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************

2014年4月11日金曜日

『ダイナー』(平山夢明)読みました。


フランスの人の前でやると怒られるそうなんですが、
ぼくは誰かと一緒に外食するとき、
ほかの人が注文したメニューと同じものを
頼むようにしています。

誰かが頼んだあとに
「ぼくも同じやつ、お願いします」って。

んで、
フランスの人はそういう主体性のないヤツが
嫌いなんだと聞いたことあります。

でもこれ、
主体性はないかもしれないけど、理由はあります。
自分で好きなものを注文しちゃうと、
当然ながら嫌いなものは頼みません。
イメージだけで「なんとなく嫌いっぽい」
って料理も頼まない。

そうなると結局、
好きなものしか食べないことになっちゃう。
それを続けていると、たぶん栄養もかたよる。

そこで!
「ほかの人が注文したのと同じものを頼む」
というルールを決めておくと、
いろんな人の好みをまんべんなく楽しめて、
栄養バランスも良好になるってワケです。

今はこのルールも、
自分の中でだんだんゆるんできちゃったんですが、
思いついた当初は、かなり徹底していて、
なるべくメニュー名を聞かずに「同じもの」を注文し、
テーブルの上に出てきて初めて
「ほう、これか」って箸をつけることがしばしばでした。

で、この『ダイナー』。

学生時代の友だち(三村さん)に
「この作家さん、面白いけど知ってる?」と聞かれ、
まったく知らなくて、急いで本屋さんに直行。
最初は半信半疑で読み進め、次第にはまりだし、
面白さをたっぷりと堪能させてもらった。
という経緯で読んだ本です。
三村さんのお薦めにそのまま乗っかって、良かった!

料理店で他の人の注文に乗っかるような感じです。
乗っからなければ自分では注文しない品でした。
それが極上の一品。
むさぼり読んじゃいました。
今度は自分で注文しよっと。


ダイナー (ポプラ文庫)
ダイナー (ポプラ文庫)
posted with amazlet at 14.04.11
平山 夢明
ポプラ社 (2012-10-05)
売り上げランキング: 11,879



**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************

2014年4月9日水曜日

『風と共に去りぬ (5)』(マーガレット・ミッチェル)読みました。

前回の『国銅』に続いて
食べ物関連の話になっています。
もとがいやしいので、いつも食べることばかり
考えているからなんでしょうね。ご勘弁を。

さて、ちょっと前に牛丼の吉野家さんが
「アタマの大盛」というメニューを
追加しましたよね。

吉野屋さんは、
ちょくちょく利用させてもらっているのですが、
ぼくはまだアタマの大盛を注文したことはありません。
というか、この先もきっと
試すことはないんじゃないかなって思います。

というのも、ぼくが好きなのは、
普通の並盛や大盛の、あのバランスなんです。
具とご飯のあの分量。

具がご飯全体を覆っているように見えても、
ほじっていくと、実は白い部分が残っている。

白い部分は、肉やタマネギと一緒に食べて、
汁が浸って味がついた部分はそのまま食べる。
牛丼はそうやって食べないと嫌なんです。

そうなると、
ご飯の白い部分がない(もしくは少ない)であろう
アタマの大盛はNGです。
よく「つゆだく」と頼む人がいるけど、
それも信じられません。

お金がなく、今の3倍食欲があった学生時代には、
安いミニ牛丼を出しているほかの牛丼チェーンで、
ミニ牛丼1つと白飯1つを頼み(これで並盛りと同等の金額)、
ミニ牛の上の具を白飯に乗せて食べ、
具がなくなったミニ牛は浸った汁だけで食べていました。
それでも十分満足したものです。

で、この『風と共に去りぬ5』。

ようやく全5巻を読み終わりました。
全体を通して振り返り、最初に思ったのが
「いやぁ、具が多い」でした。
……なんのこっちゃ。自分でもよくわかりません。


風と共に去りぬ (5) (新潮文庫)
マーガレット・ミッチェル
新潮社
売り上げランキング: 210,869

**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************

2014年4月7日月曜日

『国銅〈上〉』(帚木蓬生)読みました。

お米のご飯はおいしいんだけど、
よくよく考えてみると、
白米自体はそれほど味はないんですよね。

どどっと汗が出るほど辛かったり、
とろりと甘かったり、苦かったり、
しょっぱかったりするわけじゃない。

ふだん、特別に意識することなく食べていると、
そのおいしさを気にかけないで、
ただ飲み込んじゃうんだけど、
ときどき思い出してじっくり味わうと、
「こんなに甘かったんだ」とか
「舌触りがつるつるして気持ちいい」とか、
ご飯の偉大さに気づいてびっくりします。

豪勢な料理みたいに、
調理にいろんな手間をかけているわけじゃないのにね。

小説にもご飯のおいしさに似たものが、
たまにあります。
急展開のサスペンスストーリーでもなく、
じんじんと泣かせる話でもないから、
ただ飲み込んじゃうように読み進められる。
だけど、よくよく考えて味わいながら読んでいくと、
「えっ!? おいしいじゃん!」って小説。

で、この『国銅(上)』。

まだ下巻は読んでいないんですが、
とりあえずこの上巻は
お米のご飯みたいな味わいでした。


国銅〈上〉 (新潮文庫)
国銅〈上〉 (新潮文庫)
posted with amazlet at 14.04.07
帚木 蓬生
新潮社
売り上げランキング: 112,280


**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************

2014年4月4日金曜日

『ふりだしに戻る〈上〉』(ジャック・フィニイ)読みました。

書かれている部分と書かれていない部分の
バランスの善し悪しが、
その本を大好きになるか、それほどでもないかを
分ける理由になることがあります。

例えば、京極夏彦さんの巷説百物語シリーズ。
あれによくあるパターンは、
「えっえっ、この後どうなるの?」っていう
クライマックス場面を生放送的な描写にしないで、
済んでしまった過去のこととして
登場人物のセリフで表現したりしてます。

それだとライブなら書かなきゃいけないことも、
省略できたりする。
ぼくにはその書かなさ加減がしっくりなじむんです。

その反対に、
「ここまで細かく書いてくれてたのに、
 なんでそこを書かないの?」って作品もあります。
行間を読んで欲しい場所はほかにしてよって。

で、この『ふりだしに戻る(上)』。

下巻に続いているので、まだ判断しちゃいけないけど、
とりあえず上巻までの感じでは、
書いてあることと書かれていないことのバランスが、
ぼくの好みには合いませんでした。
面白さ5つ星だったスティーブン・キングさんの
『11/22/63』のあとがきで、
参考図書みたいに紹介されていたので読んでみたんですが、
キングさんの面白さにはまだ届いてません。
下巻で届くのかな。


ふりだしに戻る〈上〉 (角川文庫)
ジャック・フィニイ 福島 正実
角川書店
売り上げランキング: 88,671




**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************

2014年4月2日水曜日

『アンクスの海賊 クレギオン(3)』(野尻抱介)読みました。

ネタバレ注意って言葉もある通り、
物語の結末を読む前に知ってしまったら、
楽しみは半減しちゃうのが普通だと思います。

でもそう思わない人もいるんですよね。
そういう人に話を聞いたら、
結末を先に知っておかないと
安心して読めないんだと言ってました。
本の読み方も人それぞれ、
いろんな好みがあるもんです。

ぼくは(たぶんそれが普通だと思うんですが)
最初に結末を知りたいとは思わないほうです。
なので、結末が書かれているかもしれない
あとがきとか解説とかは、
先には読まないようにしています。

で、この『アンクスの海賊』。

なぜか今回、先にあとがきを読んじゃったんです。
そこにはネタバレ的なことは書かれていませんでした。
ただ、登場人物の設定とか、
舞台となる宇宙空間の説明なんかはありました。
いやいや、それでもダメだった……。
あとがき読んで自分なりに物語を想像しちゃったんです。
想像した物語がネタバレしてたんです。楽しみ半減。


アンクスの海賊 クレギオン  (3)
野尻 抱介
早川書房
売り上げランキング: 240,841

**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************