2017年10月4日水曜日

『火星に住むつもりかい?』(伊坂幸太郎)読みました。


若かりし頃、
スクリーンに齧りつくように観た
映画『スティング』の見せ場は、
やはりあのどんでんですよね。

いわばラスボスを騙くらかすため、
自分たちを死んだと見せかける。

騙されるのはラスボスだけじゃなく、
映画の観客も一緒という
憎いつくり方でした。ぐぐっときました。

たぶんそれと同じ頃だと思います。
テレビ漫画の『ルパン三世』でも、
ぐぐっとくるシーンがありました。

銭形たち警察をてんてこ舞いにさせようと、
あっちもこっちもルパンだらけにする作戦。
街を行く一般人を変装させて、
ルパンだけじゃなく、
次元、五右衛門、不二子も
ぎょうさん溢れさせ、
果ては銭形のコピーも練り歩く。
あれも、ぐぐっときました。

そんなぐぐっと場面を使って、
お話の中に盛り込めたら、楽しいだろうな。
でも、アイデアをそのまま使ったら、
二番煎じで興ざめだろうな……。

で、この『火星に住むつもりかい?』。

いやいや興ざめじゃあありませんでした。
逆に新鮮って思えちゃった。




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