2018年1月23日火曜日

『忘れられた巨人』(カズオ・イシグロ)読みました。


少し前、著作が話題になっているとかで、
テレビのニュース番組に
作家の五木寛之さんが出ていました。

『孤独のすすめ』という本が売れていて、
インタビューに答えて、その内容や、
五木さんが最近考えていることなどを
話していました。

内容を全部覚えている訳ではないのですが、
そのほとんどが、世間でよしとされ、
広く受け入れられているような
流行り物についての疑問
……だったような印象を受けました。

例えば、不要なモノをどんどん捨てて
身軽になろうの〈断捨離〉。
別に捨てなくもいいじゃない。
ため込んでそこらにほっぽらかして置けば、
何かの拍子に役に立つことだってあるんだし。

例えば、前向きに明るく
どんどん行こうの〈ポジティブシンキング〉。
人それぞれなんだから、無理矢理に
いろんなことに挑戦しようなんて思わなくても大丈夫。
外に向かわなくても、自分の内側を見つめるものいいもんだ。

……と。
その五木さんの考え方に刺激され、ぼくも、
世の潮流に逆らうようなことを考えてみました。
〈記憶力〉です。
そんなもんないほうが幸せだってこともある。
記憶がなけりゃ、誰かにおカネを借りたことも
すっかり忘れられて、思い悩むことはないし。

で、この『忘れられた巨人』。

竜の吐く息が、人びとの記憶を
ぼんやり奪っていく設定が好きです。
あと主人公の老男性が自分の妻を
いつも「お姫様」と呼んでいるとこ。





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