2018年4月3日火曜日

『小説 映画ドラえもん のび太の宝島』(涌井学)読みました。


かなり昔、あの大林宣彦監督に
インタビューしたことがありました。

(何の取材だったのかは忘れてしまい、
 でもそれは確か、きちんと形にはならずに、
 企画自体がお蔵入りしてしまったような
 気がするんです。モノができていたら、
 忘れないと思うから…)

何をテーマに話したのか、
全体の流れも記憶はおぼろげなんですが、
大林さんが言ってくれた一言だけは、
今もクッキリ頭の中に残ってます。

それは、
「ぼくは基本的に口を出さないからね」
ってこと。

取材して書いてくれた文章には、
固有名詞に誤字があるとか数字が違うとかの
事実関係が明らかに間違っている場合を除き、
ダメ出しはしない。

だから安心して書いてほしいって。

大林さんの言ったことをもとにして
書くんだけれど、出来たモノは

「自分の作品じゃなく、あくまでも
 書いた人の作品だからね。
 ぼくが口を出すのは、おかしいから」

それ聞いたときはもう、
全身鳥肌ものでした。
人間の出来が違うなって。

で、この『小説 映画ドラえもん のび太の宝島』。

本のクレジットには
脚本(川村元気)と著者(涌井学)の名前が
並んでいました。

そこで、大林監督のことをふと思い出し、
原案をつくっただろう脚本家は、
文章を仕上げた著者に対し、
基本的なダメ出しはしてないだろうなと
勝手に想像しちゃいました。

まあ、それが成功するときもあれば、
失敗のときもある、と。





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