2018年4月10日火曜日

『アルテミス(下)」(アンディ・ウィアー)読みました。


前にも書いた覚えがあるけど、
気にせずネタを使い回しします。

と、前置きして……

えーと、たしか永六輔さんが
ラジオか何かで言っていたこと。

過去に経験した悲惨な境遇を語り継ぐため、
あちこちに講演して回っている人の話です。

その人は、元来、口下手だったから、
講演を依頼された一番最初のときは
出来ないと言って断ったんだそうです。

でも、若い世代に伝えるべきだと説得され、
やっと重い腰を上げ、
大勢の前で話す決心をつけた。
(ごめんなさい。
 肝心の話の内容は、「戦争体験」だったのか
 自然災害の「被災体験」だったのか、
 もしくは全然別物か、
 そこら辺は忘れちゃったんです)

んでやっとこさ登壇すると、
もともと弁は立たない上に、緊張も加わって、
あっちつっかえ、こっちつっかえの、
しどろもどろの超訥弁になっちゃった。

が、しかし、ところが。
聞いていた人はみんな感動して
スタンディングオベーション100%的な
反響が返ってくる。

その人は、それを期に
何度も講演をこなすようになり、
場数を踏んで度胸もつき、
話も流暢にできるようになっていき、
著名人の永六輔さんとも
話しをする機会ができた。

そこで、その人が永六輔さんに言ったのが、
「何十何百と講演をした中で、
 一番共感を得られ、理解されたと思えるのは、
 最初の1回目でした。
 話がうまくなるに従って、
 聴く人の気持ちはどんどん離れていくように
 感じるんです」

慣れてない素人状態のほうが、
人を感動させられる……。
なんとなく、わかる気がします。

で、この『アルテミス(下)』。

前作がデビュー作で、これが2作目とのこと。
……面白かったです。
面白かったけど、
「うまくなるに従い、受ける側はダレていく法則」を
思い出してしまいました。





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